Grant Beckについて

Grantは9歳からレースを始め、世界中の有名な犬ぞり大会の経験/受賞歴を持ちその中にはスペイン・ピレネー山脈、フランス・スイス・イタリアのアルプス、もちろん北米横断のレースなど、様々なレースが含まれています。グラントは先祖5代にわたり、生活手段として犬ぞりを使用し犬とともに暮らしてきました。当時は警察が犬ぞりでパトロールしたり、ハンティングに犬ぞりで出かけたり、犬ぞりでの家族旅行など、現在の車と同じ目的で雪が多い極寒の地で非常に重要な交通手段でした。

犬ぞりの犬たちについて

現在では、レース用にブリーディングされたアラスカンハスキーが主用となり、ここ ベックスケンネルでは約100頭のレース犬を飼育しています。アラスカンハスキー は忍耐強く持久力があり、頭がよく、性格もフレンドリー、寒さに強い、アスリートです。ツアー前に犬たちが飛び跳ねたり吠えたりしているのは、走りたいという意思 をアピールしています。

  1. 犬ぞり師

    犬ぞり師は「マッシャー」と呼ばれ、それぞれの犬の性格や能力を把握し、そりをコントロールします。右は「ジーGee」、左は「ハッHaw」でリーダーに方向指示を出します。

  2. レース出場に向けて

    気温が下がり始める8月中旬から陸上でのトレーニングを開始し、11月からは本格的な雪/氷の上でのトレーニング/ツアーが始まります。数か月のトレーニングの結果選抜された犬が毎年1月から3月にアメリカ/カナダ各地で行われるレースに出場します。

  3. 犬のえさ

    犬のえさは、レース犬用に特別に作られたハイカロリーなえさを与えます。1回のトレーニングで8000-12000カロリーを消費します。それ以外にも魚、チキン、牛肉もミックスします。犬たちは痩せているように見えるかもしれませんが、人間でいうとマラソンランナーです。トレーニングによって鍛えられた筋肉がほとんどで体脂肪の少ないアスリートです。

犬ぞりチームの編成

  • 先頭2頭リーダー

    先頭2頭リーダー:マッシャーの支持を聞き、スピード調整、方向転換などチームのすべてをリーダーがコントロール。

  • 2列目Point Dogs

    副リーダー、ほぼリーダーに等しく、レース中リーダとしてもポジションを交代し走れるようにトレーニングされている。

  • 3列目-5,6列目Team Dogs

    チームの中心を支え、チーム全体のバランスをとる。

  • 最後尾Wheel Dogs

    そりをコントロールする力の強さが必要、体格の大きいタフな犬が多い。 チーム全体は前から頭がいい、早い順、後ろにいくにつれ力の強さが必要。

FAQ 犬についてよくある質問

  • 全ての犬に名前ついてますか?
    はい、産まれたての子犬を除いては全員に名前がついています。血統、性格などにより名前を決めます。
  • えさは何をあげますか?
    レース犬用の、ハイカロリーハイエネルギーのえさと、毛並みをよくするための魚、また鳥/豚/牛などの肉も与えます。ドックフードはイヌクシュク32/32という高価でハイカロリーな餌を与え、犬たちの健康を常に考えております。カロリー計算(走った分多くえさを与えるなど)もきちんとされています
  • オス/メスは関係ありますか?
    特にレース犬がオス/メスの性別により選抜されるわけではありませんが、オスは体格が大きいため力が強く後ろの方のポジション、メスは体格がオスに比べて小さく速いことから前の方のポジションになることが比較的多いです。リーダーにオス/メスは特に関係ありません。
  • アラスカンハスキーはどんな犬種なの?
    アラスカンハスキーは、素晴らしいアスリート犬です。走るのが大好きで、反対に走らなければストレスがたまってしまいます。
  • レースはどれだけ行われていますか?
    小さいレースから有名なレースまで毎年12月から3月末までカナダ、北米、アラスカ、ヨーロッパなどの各地で行われています。
  • えさ代、犬の管理費などお金かかりますか?
    はい、えさ代だけではなく、施設維持費、犬の世話、掃除などをする労働費を含めるとかなりの費用/時間がかかります。それだけ犬は大事に世話をされています。
  • どうやって走る犬を選ぶんですか?
    それぞれの犬にトレーニング計画がありますので、基本的にはそのトレーニング計画によりその日の犬が選ばれます。子犬トレーニング、本格的なレース犬のトレーニング、リーダーになるためのトレーニングなどトレーニングにもさまざま種類があります。気温が下がるにつれ、トレーニングの距離も長くなります。(通常子犬のトレーニングは、ハンドラーが行います。)
  • リーダー犬になるためには?
    もともとの頭のよさ、運動神経、トレーニング、本人のやる気などいろいろな要素が必要となります。プロのマッシャーですと、子犬の頃からの体格(筋肉骨組みなど)や、性格、立ち振る舞いで、どの犬がリーダ犬にむいているというのがすぐに分かるそうです。
  • すべての犬をトレーニングするんですか?
    子犬の場合は数日休日を与えてトレーニングしますので、毎日全ての犬が走るわけではありません。
    気温に応じて多いときですと、1日に32-60頭程度トレーニングします。また、気温が下がるにつれトレーニングの距離も比例して長くなります。
  • 犬ぞり師にはどうやったらなれるんですか?資格はありますか?
    特に犬ぞり師になる資格というのはありませんが、通常ハンドラー(プロの犬ぞり師につくお手伝い)から下積みをし、マッシャーのレースの手伝いなどをしながら学びます。(アラスカではほとんどがボランティア。)自分の犬舎を持ち犬を育てるオペレーションを築くまでにはやはり最低でも5年から10年かかります。またハンドラーは、小さいレースから始め徐々に経験を積んでいきます。
  • ATVのエンジンはついてるんですか?
    はい、エンジンはつけていますが、サイドブレーキなしですとこのマシーンも犬たちは引っ張ります。
    夏/秋のトレーニングは、犬にとっては気温が高いので、全力疾走して熱中症などにならないよう、このマシーンでスピードを調整しています。また、前に引っ張る筋肉をトレーニングするためにもなります。
  • 犬の走り方の違い
    人間と同様犬にもそれぞれ個性、能力や性格の違い、走り方のくせがあります。
    ジャンプせずにトコトコと早歩き(小走り)しているように見える犬は、実は長距離ランナーの走り方で、Trottingといい長距離に向いています。また長距離をすでに走ったことのある犬ですと、Trottingの走り方がすでに身についています。どれだけの距離をどの走り方で走ると体力の消耗が少ないかというのも経験のある犬ですと、理解しています。
  • なんで斜めに走っているんですか?
    前に引っ張る力が強く、実際のスピードがその犬の走る速さより遅い場合は、エネルギーが前ではなく横になりますので、斜めに走っているように見えます。
  • どうやって素質を見分けるんですか?
    リーダーは頭の良さと速さが一番のポイント、そのほか犬は力の強さ、持久力、集中力、性格、餌を食べるかどうかなどで判断します。
  • レースは何歳まで走るんですか?
    本格的なレース犬としてのピークは平均して2歳から6歳ですが、8歳でもレースに出る犬も中にはいます。
    レース引退後も、ツアーとして走ったり、子犬に教えたり(トレーニング)、ブリーディング犬として飼育されたり、レースだけではなくいろんな役目があり一生をこの犬舎で過ごします。(寿命12-15歳)